その男女8人はセックスをするためだけに集まった

その男女8人は、性行為をするためだけに部屋に集まる。


そこにあるのは、性と社会性。

欲で集まった人間たちの間に、何が生まれるのか。
そして
そこにいるのは、「本当の自分」なのか。


集まったのは、ただセックスをしたいだけの男女



『愛の渦』
という作品が良いよ、きっと気にいるよ、と言われて観ることにした。

www.dmm.co.jp



出演にしてる人を見て、よけい興味がわく。


今『まれ』などで活躍中、しかも、今後も大注目の女優、門脇麦

しかも、ぼくの好きな池松壮亮が出ているんだから、もうこりゃ観るしかないよね。




ストーリーは、ひとつの部屋の中で進んでいく。



設定に引き込まれる。

男性2万円、女性1千円
セックスをするために、するためだけに、男女はある夜に集まって、朝5時まで過ごす。

お互いにしたい人を誘って、許可を得たら自由にできる。
お互いの嫌がる行為や本番は禁止。
部屋の中では自由に過ごしていい。


集まったのは、仕事も年齢も見た目も、それぞれ違う男女8人。

最初は様子をうかがっていた8人。
けど、少しずつ、会話が始まり、最初の誘いが始まる。



どうしてこの欲を抑え込まないといけないんだ?


タイトルなし
タイトルなし / jessie essex

カラダの快楽が先か、
コミュニケーションが先か。


この作品の中の登場人物たちは、みんな社会から「なんとなく」はみ出した人たち。

それほど「落ちこぼれ」「アウトロー」みたいな社会復帰できない人たちとか捕らえられてはいない。

だからこそ、深い。

集まった人たちは
とろうと思えばとれるコミュニケーションをすっ飛ばして、セックスを求める。



『セックスボランティア』の言葉がよみがえる

ところが障害者の場合、人間関係を築く過程を抜かして、ただセックスする関係だけを求めてしまう人も目立つ。身体的に障害をカバーしていくだけではなくて、自分自身を受け入れること、そして、社会的にもっと経験を積む必要があります

「セックスボランティアしたい」恋人がそう言ってきたらどうするだろう - 人生かっぽ —佐藤大地ブログ

ここでは、みなコンプレックスというよりも、
「コミュニケーション」とか「つながり」とか、
「言葉を通した感情のやり取り」とか、
そういうものにわずらわしさをなんとなく感じて、
そこをすっ飛ばして、セックスによる快楽という欲得に走る。


そう、
なんとなくぼくらってどこか、
身体だけでコミュニケーションすることを「悪」だと思っていたり教えられて、
身体で欲得にすぐ走ることも「ゲス」とか思っちゃったりしていて。


けど、それって素直だろか?と。
どうしてそれが悪とかゲスなの?と。
どっかで人間本来の大切なもんを押さえ込んでないか?と。

オトコはやりたい!って言ってもオッケーとか、
オンナはやりたい!って言うとハシタナイとか。

そう言ってなんとなく奥底にある自分は抑え込む。


『愛の渦』に出てくる人たちも、日常で「ゆがんだ」気持ちを押さえ込んで暮らしていて
その行き場のない気持ちに、苦しんでいる。



性欲満たすだけの人間関係はつくれるのか。


Candy Apples
Candy Apples / ariane_hunter



生物としての性を「セックス」。
社会的に教えられて学んだ性を「ジェンダー」。
そう呼ぶ。


そうして、
欲得の前には人間関係があり、社会関係があり、
それはことばでつながり、ことばってのは知脳であり、頭を使って考えることであり、
シンプルに「ヤリたい!」という欲得を得るのが、
ものすごく面倒くさいこと、ストレスが溜まることになる。

それはなんだか、とても矛盾していて。


この作品のいちばん面白いところは、
性行為で得られる欲得をダイレクトにつかもうとしていたのに
いつの間にかいつも以上に「人間関係」というわずらわしいものをじぶんたちで生み出し始めるところ。


あの子可愛いか?
…あたしあの子より可愛い子めっちゃ知ってっかんね。

あいつ、ま◯こ、めっちゃくっせえの。<<


そこに見られるのは、よくある世の中の隅っこのやりとり。
「メンドくさっ」ていうやり取り。


そして、ニートの男は、女子大生のことが
すこしずつ、「あの人」が他のひとに抱かれることが気になり始める。


そういう欲得と人間関係の複雑な感じが、結局ややこしくて、なんだか笑えてくる。



 ***



最後に、店を出てから
ニートと女子大生が考えさせられる会話を投げかける。



あそこにいたのは、本当の自分だと思いますか?



クライマックスも、「はー」とため息のつかせられる内容でした。
もしご覧になった方がいたら、ぜひご感想ください。


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